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再エネアグリゲーションとは

再エネアグリゲーションとは

複数の再エネ電源を束ねて運用・取引する仕組み

再エネアグリゲーションは、太陽光や風力など複数の再エネ発電所をアグリゲーターが束ねて、ひとつのまとまった電源のように運用・取引を行っていく仕組みです。個々の発電所の場合には天候による出力変動などが課題となりますが、このような発電所をひとつにまとめることによって、計画値管理や市場取引を行いやすくなります。

アグリゲーターが担う主な役割

アグリゲーターが持つ役割は、再エネ発電事業者の代わりに「発電量の予測」「計画値を作成」「需給バランスの調整」「インバランスリスクの管理」といったものが挙げられます。そのほかにも、電力市場における売電、相対販売先とのマッチングなど、幅広い範囲で支援を行っています。

発電事業者にとって、アグリゲーターのサポートを受けることにより、制度への対応や市場取引に関する負担の軽減を行いつつ、収益の安定化を図れるなどのメリットがあります。

再エネアグリゲーションが注目される背景

FITからFIP・非FITへの移行

再生可能エネルギー(再エネ)はFIT(固定価格買取制度)の導入によって広く普及しましたが、今後は市場価格に連動するFIP(Feed-in Premium)制度や、自家消費を主体とする非FIT電源への移行が加速するとされています。

このような変化において、個々の事業者では対応が難しい電力取引や需給管理を代行する再エネアグリゲーションが注目されています。

計画値同時同量とインバランスリスク

FIP制度や市場取引の場合、発電計画と実績を一致させる「計画値同時同量」が求められます。予測が外れて差分が発生した際には「インバランス料金」が発生しますので、事業者の収益を圧迫することになります。

太陽光や風力による発電は、出力が天候に左右されるため、単独事業者にて高精度な予測・管理は難しいといえます。そこで、複数の再エネ電源を束ねて予測や調整を行うアグリゲーションが注目を集めていると考えられます。

再エネの主力電源化とカーボンニュートラル

「2050年カーボンニュートラル」を実現するには、再エネを電力供給における「主力電源」として扱っていく必要があります。しかし、太陽光や風力による発電は変動が大きいことから、安定性について課題があり、需給バランスを乱す可能性が考えられます。

再エネアグリゲーションでは、分散した電源に加えて蓄電池などのリソースも統合して制御を行っていることから、電力の安定した供給や脱炭素化を両立する仕組みとして期待されています。

再エネアグリゲーションで対応できる主な業務

発電量予測と発電計画の作成

天気予報や過去の実績をもとに発電量の予測を行い、その内容から発電計画の作成を行います。前述の通り、FITや非FITにおいては「計画値同時同量」が求められるため、予測の精度が収益性に直結する面があります。再エネアグリゲーションでは、複数の発電所を束ねており、ブレをならしつつ計画を作成していくことで、インバランスの発生を抑えて安定した運用に繋げていきます。

市場取引や売電先の確保

発電した電気を「どこに・どの条件で売るか」といった点を決める業務にも対応しています。発電事業者が自力で買い手を探すのは大きな負担となりますが、アグリゲーターは電力市場における売電や相対取引先の探索や調整の代行を行えます。市場価格や契約条件を確認しながら、より良い売り先の確保を行って収益の向上と売電安定化の双方に取り組んでいきます。

非化石価値・非化石証書の活用

再エネアグリゲーションは、電気そのものではなく再エネ由来であることを示す、非化石価値の活用も重要なポイントといえます。非化石証書は、再エネ電力の環境価値について証書化を行って取引ができる仕組みであり、需要家の脱炭素調達やRE100対応に用いられています。再エネアグリゲーションでは、このような証書の取得や販売、活用を支援し、電力の価値を環境価値まで含めて高めていきます。

蓄電池やDERを組み合わせた運用

蓄電池やDER(分散型エネルギー資源)を組み合わせることによって発電の変動を吸収して、より安定した電力供給を実現します。例えば、太陽光の出力が大きい時間に充電を行い、少ない時間に放電してインバランスの抑制や収益の向上が期待できます。このような調整は発電所単体で難しいといえますが、再エネアグリゲーションでは蓄電池なども含めて統合することにより、再エネの価値を高めていきます。

再エネアグリゲーションを活用するメリット

インバランスリスクを抑えやすくなる

「インバランスリスクを抑えやすくなる」という点は、再エネアグリゲーションを活用する大きなメリットです。複数の発電所をひとつのバランシンググループとして束ねることによって、それぞれの発電所における予測誤差をならすことができ、全体の計画地と実績値の差異を小さくできます。

FIP制度においては、インバランス料金(予測値と実績値のずれに対するペナルティ)が収益を圧迫します。再エネアグリゲーションを活用し需給管理を行うことによって、ペナルティによる減収リスクを回避できます。

収益安定化や収益向上を目指せる

前述の通りインバランスリスクを抑えやすくなる点に加えて、市場取引の最適化により収益の安定化・向上を図れる点もメリットのひとつです。ここでは、再エネアグリゲーションの専門的な知見を活用できるため、例えば市場価値が高い時間帯に売電する、蓄電池などと連携したタイムシフトによって収益性を高める、といったことも可能です。

また小規模発電所単独では参入への障壁が高い需給調整市場や容量市場などへの参画も、再エネアグリゲーションの活用によって可能となり、発電事業者に新たな収益機会をもたらします。

制度変更や市場動向に対応しやすくなる

再エネ市場は、さまざまな制度やルールの変更・見直しが行われます。例えばFITからFIPへの移行、需給調整ルールの見直し、インバランス精算の変更などが挙げられます。再エネアグリゲーションを活用することにより、発電予測や売電、蓄電池の制御まで一貫して調整が可能であるため、制度変更や市場の動向に対応しやすくなるといった点も大きなメリットとなります。

再エネアグリゲーションを検討する際の注意点

契約条件や対応範囲を確認する

再エネアグリゲーションにおいては、「契約条件」や「どこまで対応できるのか」をはっきりとさせておくことが非常に重要です。対応可能な業務の例として、発電予測や計画の作成、売電、インバランスへの対応、非化石証書、蓄電池の制御などのような内容が挙げられますが、事業者によって対応できる範囲が異なります。

そのほか、報酬やペナルティに関する点、契約解除条件なども後からトラブルにつながらないように確認しておきます。

市場価格変動リスクを理解する

市場価格やインバランス料金の変動に影響されやすいのも、再エネアグリゲーションの特徴です。特にFIPや市場連動型の運用を行う場合には、価格が高いタイミングで売れば有利である反面、価格が下がった時には収益が伸びにくい面があります。このような点から、市場価格の変動リスクを理解した上で、終始計画とリスク分散について検討していくことが大切です。

自社の電源規模や運用方針に合うか確認する

再エネアグリゲーションはどの規模の電源でも一様に有利であるとは限らない、という面があります。小規模分散型であれば束ねる効果は大きいといえますが、一定の規模以上であれば単独で市場参加を行った方が良いケースもあり得ます。また、自家消費を重視するのか、売電を重視するのか、BCPを重視するのかといった面でも、運用の仕方が変わってきます。

このような点から、自社の設備構成や出力の特性、運用目的の整理を行い、自社に合っているのかをしっかりと見極めていくこともポイントです。

再エネアグリゲーションで再エネ事業の安定運用を目指そう

こちらの記事では、再エネアグリゲーションについて解説してきました。

FIT制度からFIP・非FIT制度への移行が進められる中で、再エネ事業者はさまざまな課題に直面しています。特に、太陽光発電や風力発電は天候に影響されやすいため、計画値同時同量を達成してインバランスリスクを抑えることは難しいといえます。

そこで鍵となるのが再エネアグリゲーションです。複数の発電所や蓄電池を束ねることによって予測の誤差をならすことができるメリットがあります。また、アグリゲーターによる高精度な発電量予測や、市場取引の代行によって、事業者は需給管理の負担を軽減できるとともに、安定的な運用を目指せます。

電力管理を効率化する
業種別電力需要予測システム3選

電力需要予測システムは、さまざまな場面で活用されるものです。ここでは「小売電気事業者向け」「工場向け」「スマートハウス・スマートビル向け」と業種ごとにおすすめの電力需要予測システムを紹介しています。

小売電気事業者向け
一日前市場当日の予測で
インバランスコストを削減
富士通鹿児島
インフォネット
富士通鹿児島インフォネット公式HP
引用元:富士通鹿児島インフォネット公式HP
(https://global.fujitsu/ja-jp/subsidiaries/kfn/services/list/demandforecast)
小売電気事業者向けの
導入メリット

電力売買を効果的に行える

電力業務特化型の電力需要予測システム。自動で再学習を行うAIモデルの高精度な予測により、電力売買の効果的なタイミングが図れる。

インバランスコストを削減

短時間での予測が可能なため、一日前入札当日の新鮮なデータを反映させた高精度の予測実施。より正確な予測でインバランスコストを効果的に削減可能。

工場向け
製造現場の生産計画と
連動し電力コストを削減
富士電機
富士電機公式HP
引用元:富士電機公式HP
(https://www.fujielectric.co.jp/about/example/detail/solution_power_prediction_system.html)
工場に
向いているポイント

自動でピークカットを実施

工場向け電力需要予測システムZEBLAで、設備の電力消費データを監視・分析。電力使用の無駄や異常を検知し、自動でピークカットが行える。

生産計画に影響しない節電

電力不足時は重要度の低い機器を間引き、さらに不足すれば発電機を稼働するため、生産計画に影響することなく電力平準化を図ることが可能。

スマートハウス・
スマートビル向け
蓄電の活用と電力管理
気象データで支援
ウェザーニューズ
ウェザーニューズ公式HP
     
引用元:ウェザーニューズ公式HP
(https://wxtech.weathernews.com/industries/energy/)
スマートハウス・ビルに
向いているポイント

効率的な再エネの需給管理

全国の気象観測網を活用した電力需要・発電量予測を提供。太陽光・風力発電の変動を精度高く把握可能なため、再生可能エネルギーの需給管理を調整できる。

電力不足のリスクを低減

気象による予測誤差を抑えることで、スマートハウス・ビルにおける電力不足のリスクを低減。また、自家消費・売電など余剰電力を適切なタイミングで活用可能になる。