脱炭素への関心が高まるなか、小売電気事業者が提供する再エネ100%プランへの需要が拡大しています。こうしたプランを安定的に供給するには、需要と再エネ電源のバランスを事前に把握することが欠かせません。ここでは、100%再エネプランの電力バランスを試算する需給シミュレーションの使い方と、結果の読み方をシンプルな手順で解説します。
あわせて、再エネ100%プランを支える証書の仕組みや、シミュレーションを運用に活かすポイントも紹介していますので、ぜひ参考にしてください。
再エネ100%プランの多くは、再エネ電気に再エネ指定の非化石証書を組み合わせることで、実質的に再生可能エネルギー100%の調達を実現しています。非化石証書は非化石価値取引市場で調達でき、FIT非化石証書(再エネ指定)は全量にトラッキング(電源・産地情報の付与)が行われている点が特徴です。
一方、グリーン電力証書は再エネで発電された電気の環境価値を証書化した民間制度で、企業が自主的な環境対策として活用できます。いずれも「電気そのもの」と「環境価値」を分けて扱う仕組みであり、プラン設計時にはどの証書で環境価値を裏付けるかを整理しておく必要があります。
再エネ調達の考え方には、年間の調達量と消費量を合わせればよいRE100と、1時間単位で発電と消費を一致させる24/7カーボンフリー(CFE)があります。RE100は発電と消費のタイミングを一致させる必要がありませんが、24/7では時間単位のマッチングが求められます。どちらの水準を目指すかによって、必要となるシミュレーションの粒度が変わってきます。
RE100水準であれば年間の合計で不足を埋めれば足りますが、24/7水準を目指す場合は時間帯ごとのギャップを埋める必要があります。シミュレーションで不足が集中する時間帯を特定し、そこに充てる電源や証書を計画的に確保することが、無理のないプラン設計につながります。
需要と再エネ発電はいずれも変動が大きいため、予測精度の向上がシミュレーションの信頼性を左右します。予測システムを既存のEMS(エネルギー管理システム)と連携させれば、実績データを取り込みながら継続的に精度を高め、需給計画の運用に組み込むことができます。
再エネ100%プランを安定的に供給するには、需要予測と再エネ発電量を時間帯別に突き合わせ、不足分を証書や追加電源で計画的に補うことが基本となります。目指す水準がRE100か24/7カーボンフリーかによって求められる粒度は変わりますが、いずれも予測精度がシミュレーションの土台となります。
このサイトでは、再エネ電源の変動にも対応できる電力需要予測システムを紹介しています。
業種ごとに適したシステムを掲載しているので、属人的な予測から脱却し、精度の高い電力需要予測を実現したい方は、ぜひ参考にしてください。
電力需要予測システムは、さまざまな場面で活用されるものです。ここでは「小売電気事業者向け」「工場向け」「スマートハウス・スマートビル向け」と業種ごとにおすすめの電力需要予測システムを紹介しています。

電力売買を効果的に行える
電力業務特化型の電力需要予測システム。自動で再学習を行うAIモデルの高精度な予測により、電力売買の効果的なタイミングが図れる。
インバランスコストを削減
短時間での予測が可能なため、一日前入札当日の新鮮なデータを反映させた高精度の予測実施。より正確な予測でインバランスコストを効果的に削減可能。

自動でピークカットを実施
工場向け電力需要予測システムZEBLAで、設備の電力消費データを監視・分析。電力使用の無駄や異常を検知し、自動でピークカットが行える。
生産計画に影響しない節電
電力不足時は重要度の低い機器を間引き、さらに不足すれば発電機を稼働するため、生産計画に影響することなく電力平準化を図ることが可能。

効率的な再エネの需給管理
全国の気象観測網を活用した電力需要・発電量予測を提供。太陽光・風力発電の変動を精度高く把握可能なため、再生可能エネルギーの需給管理を調整できる。
電力不足のリスクを低減
気象による予測誤差を抑えることで、スマートハウス・ビルにおける電力不足のリスクを低減。また、自家消費・売電など余剰電力を適切なタイミングで活用可能になる。